FXシステムトレード・自動売買とは

システムトレードというのは、コンピューターによる自動売買取引のことです。

あらかじめルール(システム)を決めておき、それに従って機械的・継続的に行う取引・・・それをシステムトレードと呼んでいます。

海外では、有効な投資スタイルの1つとして多くの投資家たちが幅広く使用しており、また日本国内でも、多くのFXトレーダーたちがシステムトレードを使用しています。

なお、シストレというのは、このシステムトレードの略で、そのシステムトレードを用いたFX取引を、FXシステムトレードと言います。

FX自動売買・システムトレードのメリット

システムトレードのメリットですが、まず一番に言えることは、FX取引に感情が入らない点でしょう。

自分自身の判断で取引を行うことを、裁量トレードと言うのですが、その場合、どうしても取引に自分の感情が入ってしまいます。「○○の時は△△する」というルールを決めておいても、実際に取引となると、その時の感情によってそのルール通りに進められないこともあるのです。どのような感情かというと、いわゆる、欲・希望などですね。希望的観測・臆病さ・・・なども含まれます。

しかし、システムトレードならば、取引にその時の自分の感情が入ることはありませんので、ルールを徹底させることができます。そういう意味では、自分との意志・感情との戦いを制することができるんですよね。自分で想像している以上に、感情がリスクに大きく影響するのです。

また、相場に対しての分析能力がなくても、取引を行うことが可能となります。自分で売買の判断をする必要もなく、決済も自動で行ってくれるので、手間もかからずに楽・・・というのもあります。

通常は、為替相場・その変動・・・などを見て売買を行いますから、1日中パソコンの前に座っていなければならなかったりもするのですが、システムトレードならば、ルールに従って売買しますので、投資に費やす時間をかなり減少させることができるというのもメリットだと思いますよ。

FX自動売買・システムトレードのデメリット

逆に、システムトレードのデメリットですが、あらかじめ決められたルールというのは、全ての相場状況に通用するわけではない・・・という点です。システムトレードというのは、過去のデータが元となっているため、何らかの影響によって相場環境が大きく変化してしまうと、それに対応しきれない可能性も出てきます。

例えば、壊滅的な自然災害が起こったり、戦争・テロば勃発してしまった場合・・・等ですね。相場が急変してしまった場合などは、臨機応変に対応しなければならず、事前のルールは役に立たないこともあるのです。

なお、FXのシステムトレードは、どのようなものなのか・・・というと、もちろんシステムトレードも多種多様ですので、全てのFXシステムトレードに該当するわけではないのですが、例えば、「確実に利益を上げるために、1円円高になったら買い注文を行い、逆に1円円安になったら売り注文を行う」というルールを利用した場合、1ドル=100円になったら10,000ドルを買い、1ドル=101円になったらそのドルを10,000ドル売ると、1万円の利益を得ることができます。・・・こういったルールを利用してシステムトレードを行うと、わざわざ自分で為替相場を常時チェックしていなくても、利益を得ることが可能となるのです。

FX取引でよく見聞きするのが、10,000ドルを購入した後に下がってしまったものの、「もう少ししたら上がるかな?」と思って更に購入。しかし、いくら待っても上がることはなく、寧ろ下がってしまったので、結局損をしてしまった・・・という体験談です。逆に、「これ以上上がることはないだろう」と予想して売ったものの、その後に急激に上がってしまったので、もう少し売るのを我慢して待っていれば良かった・・・という話もよく見聞きしますよね。

しかし、これらも、「1円上がったら買う、1円下がったら売る」というルールに従って取引を行ったのであれば、為替の変動に一喜一憂することも、左右されることもなく、悔しい思いをすることも少なくなると思います。

それ以前に、そもそもシステムトレードで勝てるのか?という話です。

システムトレードも上手に使えば勝てますが、何の知識もない人が使っては勝てないのです。

車の運転みたいなもので、運転できる人なら車は役に立ちますが、車の運転をしたことがない人にとって、車は何の役にも立ちません。運転できる人に運転して貰うしかないのです。

ですから、システムトレードも、自分で運用したいと思うのであればシステムトレードのことを十分に勉強する必要があるのです。と身も蓋もない話になります。

FX自動売買・システムトレードの種類

このシステムトレードは、大きく、開発型と選択型の2つに分けることができます。

開発型は、自分で売買プログラムを作成するか、市販のプログラムを購入(または無料版などで入手)して使用します。売買プログラムを動かすトレードツールを使用して注文を出しますので、それなりに専門知識が必要となってきますので、上級者向けです。メリットとしては、自分自身オリジナルのストラテジー(売買プログラム)を作成することができたり、ストラテジーは様々な場所で販売されているので、自分で選んで購入することができる点。そして、手に入れたストラテジーのパラメーターなどを自分で変更することもでき、投資家がストラテジーの中身を理解して利用できる点が挙げられます。一方でデメリットには、ストラテジーを自分で開発するならばかなりの専門知識が必要ですし、ストラテジーを購入するのであればお金がかかります。市販のものは、ストラテジーのテスト結果(バックテスト・フォワードテスト・実際の運用テスト)の信頼性を考慮しなくてはいけませんし、ストラテジーのメンテナンスも自分で行わなければなりません。

ちなみに、バックテストというのは、過去のデータにある条件で売買した場合にどのくらい儲かって、どのくらい損をしたか・・・を検証するためのテストです。システムトレードを行うためには、作戦を立てたり、システムを作成・購入したり・・・と、実際に取引を始めるまでに行わなければならないことが多く存在します。そのなかの1つがバックテストなのですが、このバックテストはかなり重要な役割を担っているといっても過言ではありません。そして、フォワードテストというのは、バックテストで行った戦略が、未来でもきちんと機能するかどうか・・・を確認するためのテストとなっています。わかりやすく言えば、

バックテストでは問題ない・・・とされているものの、だからといって、この先でもそのシステムでうまく動くことができるのか・・・?が心配ですよね。フォワードテストは、その先でも同じシステムで大丈夫なのかどうかをチェック・検証するためのテストとなります。

選択型は、ストラテジープロバイダーという人たちが作成したストラテジーを、システム提供会社が売買システムへ搭載したものを使用します。専門知識がなくても、システムトレードを行うことができますよ。メリットとしては、専門的な知識がなくても取引ができる点。そして、ストラテジーを無料で利用することができる他、もし相場状況が変わった場合は、ストラテジーのメンテナンスも自動で行ってくれる点が挙げられます。デメリットでは、自分でストラテジーを作成する手間がかかる点。また、他から購入したストラテジーを追加することができなかったり、自分でストラテジーの内容を把握・修正することができない点が挙げられます。

現在のトレーダーたちは、後者の選択型のシステムトレードを使用している方の方が多いようですね。しかしこの場合、システムトレードごとにシステムの特徴などは違いますから、自分自身がそのシステムに従って使い続けることができるか・・・が非常に重要となってきます。例えば、システムでは買いシグナルが出たとしても、チャートを見ると「今から下がるのでは?」と感じ、ルールに従わずに自分の直感を信じて、シグナルとは異なる行動をとってしまうことがあるかもしれません。もちろん、その直感が正しい場合もあるかもしれませんが、しかし、だからといって、ルールに従ってシグナルが出ているのに、それに従わずに無視して取引を長期的に続けていれば、必ずマイナスになってしまうのです。ですから、そのシステムに従って続けることができるか・・・が重要となってきます。更に、システムのシグナルに従って取引をしているにも係らず何度も負けてしまうと、そこで使用をやめてしまう方がいらっしゃいますが、要するに、ルールに任せることで出されるシグナルが信頼できるかどうか・・・が最も大切なのです。

先ほど少し触れましたが、システムトレードと裁量トレードは意味が真逆であり、それぞれのメリット・デメリットも真逆です。システムトレードは、欲・希望などの感情を切り離してルールを徹底して取引を行うことができる分、相場が急変した時などは対応が難しくなってしまいます。一方、裁量トレードの場合は、欲・希望などの感情が入った取引をしてしまので、売買のタイミングを逃してしまうことがありますし、相場に対しての分析力も必要となってきます。しかし、相場の状況に応じて、臨機応変に対応し、売買することができます。システムトレードと裁量トレード、いずれにもメリット・デメリットがあり、どちらか片方が優れているというわけではありません。一長一短あり、どちらで取引をするかは人それぞれです。自分の考え方や、自分の性格などに合わせて選ぶようにしてください。

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